おちごさん

今年の片埜神社の例祭では、宵宮(10月14日)の午後3時から、お稚児(ちご)さん行列をおこないます。 と、言われても、何のことだか分からない方も、きっと多かろうと思います。私も、神社に嫁に来るまで知りませんでした、お稚児さん。そのいっぽうで、「ああ、私もやったなあお稚児さん、なつかしな~」という方も、たくさんおられることでしょう。 お魚のこどもを稚魚(ちぎょ)と言うように、稚児(ちご)は、「幼いこども」を表しますが、さらに「お」と「さん」をつけて「お稚児さん」と言うと、とたんに関西の風味がしてきます。関西の人は、神社を「お宮さん」と呼び、ほかにも、お日さん、おまめさん、おはようさん等々、なんしか「お」と「さん」をつけて敬意と親しみをいっぺんに表現するのが得意。稚児は神に近い尊い存在であると同時に、親しみいつくしむべき存在ゆえに「お稚児さん」なのでしょうね。 さて、今年の片埜神社の「お稚児さん行列」は、3歳から7歳のこどもが、金蘭衣装をつけ、男の子は烏帽子(えぼし)、女の子は冠(かんむり)をかぶって、牧野阪上公園をぐるりと、行列をなして練り歩き、鳥居をくぐってお宮入りするダンドリです。 片埜神社の場合、宵宮(10月14日)と土日が重なった年にお稚児さん行列をおこなうので、5~6年に一度。ひとりのこどもが「お稚児さん」対象年齢でいるあいだに一回おこなわれるか否か、のペースです。 「しちごさん」と「おちごさん」は、ひらがなにすると一文字ちがいですが、お子たちが身にまとうものが、ちがいます。ひらたく言うと、七五三は「江戸」、お稚児さんは「平安」の世の装束を着ます。 七五三という行事は、

クマゼミ考

夏のはじめ、ちいさな稲荷社のまわりの土にポコポコとまるい穴が出現し、それは地中からセミたちが、この世に出てくる穴でした。 クマゼミたちは鳥に食われたり、蜘蛛の巣にうっかりひっかかったり、チビッ子に網で捕獲されたりしながらも、日がな一日シュワシュワ言っておりました。(朝の五時から) クマゼミのなきがら運ぶアリの列みださぬように竹ぼうきの先 夏の盛りにはそんなぐあいで、あちこちでセミの命がリレーされていくのを見ました。 関東育ちの私には、みんみんゼミののんびりした声が、長らく夏の音でしたが、大阪へ遷って十余年、 今ではサウナのごとき暑さと、クマゼミの怒涛のシュワシュワの中で、シュワっといただくビールの味が格別に思われます。 ところが、そのシュワシュワが急にいなくなって、ジュンサイのびんの中にいるような湿気もなくなると、目の前に突然 さわやかすぎる青年が現れたように、どうしてよいかわかりません。 秋だ、ああ、例祭の準備をしなくちゃと、気持ちばかりが先走ります。 あのうるさくてあつくるしいやつらと、ぐだぐだする夏は 終わってしまった! クマゼミは2年から5年、地中に暮らし、地上に出てからは3週間から1か月の命、すなわち ひと夏の間に子孫を残しあの世に戻っていくと言います。 2年から5年て。えらい個人差あるな。 そんなに長い幼虫時代、天敵のいない地中で、ゆっくりゆっくり成長しながら、クマゼミは何を思ってるんでしょうか。 たぶん無(む)なのでしょうが、ひょっとすると、脳のような機能だけがものすごく発達していて、バーチャルで、ばら色の人生を何回も送っているのかも。 で、2年たって 「オレはも

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