梅の季節

最終更新: 2019年6月2日

ごきげんよう。

朝の苦手な権禰宜です。


社務所からは、狛犬と一緒に参道をはさんで立っている白梅と紅梅が見え、





天神さんの牛のとなりには、よく桃に間違えられる梅が咲いています。


牛さんのお腹にも、梅の紋







こんなに咲いているのに、梅の花の匂いは、遠くにある金木犀や、玄関に活けた水仙に負けてしまい、日中はほとんど気づきません。


なのに、夜に外から境内に帰ってくると、別の空間を伝ってきたかのように、ふわっと梅の匂いにつつまれる瞬間があります。


この日は右上にオリオン座が見えました


夜中の2時、3時に散歩していた頃、この匂いしてたなぁ……


遠い昔の記憶が、匂いごといっぺんに蘇ってきて、泣きそうになります。


超早寝早起きをして、ジョギングや片付けなどすれば、誰もいない真夜中の神社で梅の匂いにつつまれる羽目にもならず、センチメンタルも回避できるのでしょうが、


なぜかこの時季は日中眠くて仕方がなく、そのぶん宵っ張りになってしまうので、

このザワザワした感情に浸り、しゃがんで膝をかかえて嵐がすぎるのを待つしかない。

「これって、俗に言うミッドライフ・クライシスなんじゃないか? キアヌ・リーヴスもなったらしいし、最近は働く女性にも多いらしいし…」(心の声)


この上、桜が咲いたりしたら、もうどうなるか分からないですが、さいわい、日本には桜の下で酒を飲むという、すばらしい風習があるのでね。

そもそもは田植え神事の直会として始まった風習のようですが、実にありがたいことです。


もしかしたら花粉症というものは、酒飲みが減った昨今、春の心のザワザワを強制的にまぎらわすさらに大きな嵐として出現したのではないか、という気がしないでもないです。


猫はちゃんと参道の正中を避けて歩く

梅と土塀と本瓦


思えば前年の十一月から続いた神社の繁忙期、七五三→鎮火祭→初詣→えびす祭→節分祭までは、アドレナリンが出続けているのか、ちっとも眠くなりませんでした。



とくに、年末年始からえびす祭にかけては、寝てないがゆえの躁状態で、アルバイトの学生たちや、十代、二十代の巫女さんたち、この時季だけ助っ人に来てくれる漫画家の友達のやることなすことが、面白可笑しく思え、腹が痛くなるほど笑ったり、笑い過ぎて涙が出たりしておりました。





不思議なことに、普段持ち上げられない重いものも持ち上がるし、痛くて動かせなかった腱鞘炎の手首も動いて、一升瓶の蓋を次々と開けることだってできたのですが……。






節分祭を最後に、皆が学校や仕事に戻り、就職する学生を送り出し、巫女さんたちの袴をクリーニングに出し、はっぴも洗濯して仕舞い、まかない用の大なべやら、食器やらを納戸に片付け、社務所のレイアウトも通常に戻し、あとは年度末に向けて各種書類作成の山が残っている、


という段階になると、我、燃エ尽キテ力出ズ。という状態になっていました。


パソコンに向かって会計ソフトを立ち上げると3分で眠気が襲ってくる。


コーヒーを入れて甘いものでもつまんで一服してからやろっか。と、半時間ほど自分を甘やかしてからパソコンに向かうと、また3分で睡魔。


完全なる、まつりロス。


でも、まつりハイがあってこその、まつりロスなわけで、この落差を味わえるのは生きている証拠なのだと思うと、ありがたいことです。


あっ。


書類作成からの逃避という、負の動機で書き始めたのに、「ありがたいことです」なんて、ちょっとポジティブな締め方になってしまった…。これも、「書く」という行為のからくりのひとつでしょうか。




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