水無月と静かの海 

水無月になった。 狛犬の傍らの青梅は、白梅のは青々していて、紅梅のは李(すもも)の様である。 鬼の傍らには鼠糯(ねずみもち)の花が咲き、 牛の傍らでは車輪梅(シャリンバイ)が咲いた。 シャリンバイは葉っぱが車輪のようで、花が梅のようだから車輪梅というが、じつはバラ科の植物である。樹皮から作る褐色染料は大島紬に使われるという。 虫干しをしようと社務所の箪笥を大々的に整理していたら、先々代の大島と思われる単衣の着物が出てきたので、さっそく着て事務仕事。 驚いたことに、シャキッとした生地が気分を仕事モードにしてくれる上に、帯で体幹がまっすぐ保たれるから、デスクでパソコン作業をしていても、疲れない。むしろ、ジャージで片足あぐらをかいてパソコン作業をしている時のほうが疲れる! ということが分かった。 大島の光沢のあるしぶい黒は、絹糸のたんぱく質の上にシャリンバイのタンニン酸色素と奄美大島の泥田の鉄分が化学結合することにより出るのだそうで、染色は85回以上繰り返されるという。 その方法を発見した人、誰なんだ…。 なぜシャリンバイと泥の組み合わせに気づいたんだろう。 あきらかに自分たちより昔の人のほうが賢いと思ってしまうのはこういう時。 さて、六月は和名で水無月。「みなづき」の「な」は、「の」にあたる連体助詞「な」で、「水な月」は「水の月」という意味であるというのが通説である。 連体助詞「な」に「無」の字を当て、「ある」のに「ない」とするところがお洒落である。 それと、月の表面にある「静かの海」。 初めて聞いたときから、お洒落な名前だなと思っていた。 実際、そこには水がない。地球から見ると色

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