イヌの日に巻くもの

戌(イヌ)の日が近くなると、社務所の一室には、白い晒し木綿が竹竿にぶら下がっている。妖怪「一反木綿(いったんもめん)」が休憩しているのだ。 というのはうそで、正体は妊婦の腹帯だ。 その証拠に、長さは一反ではなくて、その半分なのだ。 墨で「安産祈願」と「妊婦の名前」を書き、神社の朱印を押した後、しっかり干して、墨や朱を定着させておくと、あとから洗剤でジャブジャブ洗っても落ちないから、こうして干しているのだ。干したあとには安産祈願祭でお祓いされ、妊婦さんに手渡される。 一反というのは、着物が一着つくれるぶんの布の量のことだから、そこから腹帯を2本つくるということは、けっこうな贅沢だ。手もとにある腹帯を実際に測ってみたら5メートルと6センチあった。日本の妊婦はこれを腹にぐるぐると巻く。この風習は世界にあまり知られていない。 腹帯を腹に巻き始める儀式、「着帯の儀」は、妊娠五か月目の戌の日におこなう。犬は安産で多産だから、それにあやかっている。五か月といえば妊娠の安定期(母体の黄体ホルモンが安定する時期)と言われるが、お腹はまだそれほど出ていない。見た目は普段とまったく変わらない人もいる。 はじめて腹帯を見た妊婦は「5メートルもする長い帯を腹にぐるぐる巻くなんて、いじめじゃないか?」と思うかもしれない。 だが、実際に巻いてみると、意外にイイことに気づく。 フィット感が絶妙。見た目も粋。三船敏郎になった気分。 ここで、実践的な巻き方を動画でどうぞ↓ 細かい決まりはありません。ポイントは、骨盤まわりに巻くこと。おへそにはまかないこと。動画のような姿勢で巻くと、大きいお腹を載せる土台として腹帯

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