これ何だと思いますか?
片埜神社の神輿蔵の奥にあった、宮太鼓です。 長いあいだ使われていなかったために、鼓面の皮は破れ、皮を胴に留めている鉄の鋲(びょう)はボロボロ、胴の木も、カッサカサのボロッボロでした。 破れた皮を剥いて、胴の中を見てみると……、 日付と人名のようなものがたくさん書かれていました。いちばん古い日付は「寛政拾年 長月」「戌」で、その横に「細工人」誰々、という名前のようなもの。おそらくこの年に新調され、修理のたびに日付と名前が書き足されていったのでしょう。 この太鼓が作られたであろう寛政拾年を、ググってみました。 寛政10年は西暦で1798年、今から232年前。光格天皇の御代、将軍は徳川家斉のころ。本居宣長先生が「古事記伝」を完成させ、蝦夷地に探検隊が入り、2年後の寛政12年には伊能忠敬が蝦夷地を測量。そんな年です。 正味な話、修復は無理かも知れん。 と思いました。作られてから二百年越えしているし、いくらなんでもボロボロすぎる。 でも、でもですよ。 鼓面の直径を測ってみたら二尺一寸(約63㎝)。これだけの立派な大太鼓が修復され、たたけるようになったら、ど